急性骨髄性白血病といえば死をイメージしてしまう方も多いのではないでしょうか?
しかし最近はかなりの確率で治る病気だと言われています。
急性骨髄性白血病の症状がどんな感じなのか、私が抗がん剤治療を繰り返して寛解するまでの治療体験を語りたいと思います。
Contents
わたしが急性骨髄性白血病になった原因
遺伝子の突然変異が原因と言われました。
私の場合は、骨髄検査の結果、t(8,21)という遺伝子が転座を起こしたことが原因で急性骨髄性白血病になったと言われました。
このように、未熟な血液細胞である骨髄芽球が何らかの遺伝子異常をきたすことでがん化した白血病細胞が増殖し続けることで白血病を発症します。
ではなぜこのような遺伝子異常が起こるのか、というのはまだ原因不明で、誰もが発症しうる病気であるという説明は主治医から受けました。
急性骨髄性白血病の症状や困ったエピソード
抗がん剤による副作用と、抗がん剤による骨髄抑制による二次的な症状にはかなり悩まされました。
まず副作用では、薬疹が全身に出てしまい、それが痒くて痒くて眠れませんでした。
骨髄抑制の抗がん剤なので、白血球、赤血球(ヘモグロビン)、血小板の全てがゼロに近い状態に下がります。
そのため、痒い薬疹を引っ掻いてしまうとばい菌が入りやすく、白血球がほぼない状態では少しのばい菌でも感染症になり、血小板がほぼない状態なので引っ掻いて出血すると止まらなくなるから絶対に引っ掻いてはダメと言われ、点滴で痒みを抑えてもらいましたがとにかく辛かったです。
抗がん剤を投与すると2週間後くらいに一度血球全ての数値が下がり、上がり始める頃には必ず感染症にかかり、抗がん剤の度に38~40度の高熱が続き、肺炎にもなり、麻薬レベルの咳止めを服用するほどの激しい咳に悩まされました。
白血病で命を落とす場合、このような合併症が直接の死因になることが多いとされています。
40度の熱が3日続いた時はさすがに何も食べられなくなり、脱水症状にもなってまったく動けなくなり、点滴で命を繋いでいました。
ヘモグロビンが下がると貧血状態となり、ちょっと歩くだけでも息切れや目眩がして、なかなか身体がいうことをきいてくれませんでした。
血小板がほとんどなくなった時は、何もしていないのに口の中には血豆だらけ、全身アザだらけでした。
少しでも転んだら血腫が出来て命取りだから絶対に転ばないようにと、お手洗いは看護師さんについてきてもらっていました。
急性骨髄性白血病の治療方法として行ったこと
初めての発症だったので、標準的な化学療法での治療が行われました。
まずは「寛解導入法」と言って、2種類の抗がん剤を1週間ほど投与。
末梢血内にもあふれていた白血病細胞を排泄させ、骨髄抑制をするという治療です。
骨髄抑制とは、血球を作ることを抑制することで、この治療は白血病細胞を抑制すると同時に正常な血球の生成も抑制してしまいます。
クリーンルームではなく普通部屋のベッドでしたが、ベッドを覆う空気清浄機(シールドのようなもの)であるアイソレーターというものがベッドに取り付けられ、常に手洗いやマスクは義務づけられ、消毒剤入りのうがいを1日に8回。
デイルームや売店にさえ行くことは禁止されました。
この最初の寛解導入法が、末梢血内にも溢れ出ている白血病細胞を排泄させるために、腎臓に負担がかかるリスクを伴う、白血病の治療の中で一番合併症を伴う危険な治療と言われました。
この抗がん剤投与から2週間後くらいに血球数が下がり始め、しばらくすると血球数が上がり始めて正常値になるまでが約1ヶ月と言われました。
私の場合は、末梢血の中にすでに90%も増殖していた白血病細胞が、この初回の「寛解導入法」により、0.8%にまで白血病細胞が減り、寛解状態(白血病細胞が5%以下になること)に入りました。
とてもうまくいったと言われました。
その後、「地固め法」という、初回の抗がん剤のうちの1種類の抗がん剤を、初回の30倍投与することで、より骨髄抑制を行い、再発を防ぐという治療を行ないました。
過程は初回と同じで約1週間ほどの抗がん剤投与の後、約2週間で全ての血球が下がり、また上がるまで計約1ヶ月。
ある程度血球の数値が元に戻るタイミングで、数泊の外泊が許されました。
そして1~2週間の休息を経て、また「地固め法」の抗がん剤投与。
この「地固め法」を全部で3回、計4回の抗がん剤投与が行われました。
そのたびに骨髄検査を行い、白血病細胞の有無を調べ、私は初回の寛解からずっと、今でも寛解を維持しています。
急性骨髄性白血病の治療の効果や費用について
症状はどれくらい改善したか?
白血病が見つかった時は90%あった白血病細胞が0.8%にまで下がったので、私には抗がん剤による化学療法がとても効果があったようです。
その後、3回の地固め法を行う度に高熱が出たりはしましたが、毎回の骨髄検査では白血病細胞はゼロになっていました。
自覚症状としては、毎回の高熱と肺炎、初回の治療時の薬疹は辛かったですが、その他は貧血によるふらつきや息切れ、全身のアザのみで、それ自体はそんなに辛いことはなかったです。
発症からちょうど半年の治療を経て2月に退院。
半年ほとんどベッドで横になっている日々だったので、今は体力の回復を目指しています。
現在も月1回診察を受けています。
おかげさまで寛解を維持していますが、しばらくは月1回の診察は続くと思われます。
急性骨髄性白血病の治療にかかった日数
約半年です。
急性骨髄性白血病の治療にかかった費用
ベッドの差額代込みで約300万円です。
大部屋のベッド代さえなければもっと抑えられたと思います。
急性骨髄性白血病に悩んでる人へのアドバイス!
白血病と言えばすぐ死に直結するイメージがありましたが、今はかなりの確率で治ると言われました。
私も今は寛解を保っていて、家で普通の生活を送っています。
白血病は、抗がん剤がもっともよく効く病気だということも知りました。
また、移植に関しても、骨髄移植から臍帯血移植まで種類もあり、その人に合った治療が行われます。
今は、かなりの確率で治る病気だと言われていることがなかなか世間に浸透していないのですが、それが事実です。
また、気にはなってしまうと思いますが、白血病患者のブログは読まない方がいいと思います。
ほとんどが再発や移植などの闘病中のブログで、逆に心配や不安を感じてしまうからです。
完治した人はブログを書きません。
だから、本当に得たい情報は、ブログでは得られません。
ブログなどに振り回されずに、前向きに治療に取り組んで欲しいと思います!
スポンサーリンク