増殖型糖尿性網膜症は糖尿病の人がなりやすく、悪化すれば失明の恐れもある怖い病気です。
完治はしない病気ですが、治療で失明のリスクを下げることはできます。
そんな増殖型糖尿性網膜症にかかってしまい、レーザー照射による治療を行った体験を語ります。
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わたしが増殖型糖尿性網膜症になった原因
私は二十代の頃に糖尿病を発症して以来闘病を続けておりました。
糖尿病は病名とは違い基本的に血液の病です。
進行していくと、血液がどんどんドロドロの状態になっていきます。
そしてそれが長期間続くと、血液が血管で詰まり塞栓を起こします。
その塞栓が起こると体の様々な箇所で悪さをしますが、これが目の血管で起こると目に栄養がうまく届かなくなります。
脳は目の栄養不足を補うために新たに血管を目の中に作りますが、この血管は脆くて破れやすく、放置しておくとやがて血管が破れ出血を引き起こし、最悪は失明に至ります。
これが増殖型糖尿性網膜症のメカニズムです。
糖尿病の私は、この糖尿性網膜症になる可能性は高かったのですが、日頃の不摂生が祟ってしまい、この病を患ってしまいました。
増殖型糖尿性網膜症の症状や困ったエピソード
私の場合は治療は行ったものの、基本完治はしない病気ですので、今も新たに症状が出てきたりしています。
目の中にい出血を起こしたときに視界に黒い点や筋のようなものが見える、飛蚊症と呼ばれる症状なのですが、目の中で出血が起こるとまず、これが起きます。
そして点で止まっていれば問題ないのですが、出血している時は液体なので目の動きに合わせて勝手に目の中で広がっていきます。
それが酷い状態になると、視界全体に薄い膜のようなものを張って、周囲が見づらくなってしまいます。
ちなみにこれはこの病気で失明する可能性のある症状の一つなのですが、私の場合はピークの時は五十センチ先の大きな文字もまともに読むことが出来なくなりました。
今のところ両目同時にこの症状が出ることはないのです。
しかしたとえ片目だけに現れるとはいえ、反対側の大丈夫な目の視力との差で遠近感が狂ってしまってうまく物との距離が掴めなくなって、机などに体をぶつけたり、時には右目の視野と左目の視野でまるで段差をつけたような見え方になったりします。
気持ち悪い視界だな、と思いながら家まで帰ったこともありました。
本当に厄介な症状です。
増殖型糖尿性網膜症の治療方法として行ったこと
手に負えない状態だとと手術することもありますが、私の場合は進行していたとはいえ、まだなんとかなる状態でしたので、レーザー照射による網膜光凝固術で治療を行いました。
目の中に出来てしまった新生血管に対して、レーザーを照射する方法です。
私は両目とも病気が進行していたので、通院する時に片目ずつ交互に治療を施しました。
先生から術式の説明を受けて、まず最初に瞳孔を開くための目薬を差します。
これによって目の内部を見やすくして、治療を行いやすくします。
そして時間を置いて薬が効いてきたら、いよいよ機械によるレーザー治療の開始です。
レーザーの機械の前に座ると先生が目の中をより見やすくするための、目に挟むタイプの拡大鏡を治療側の目に、痛みを軽減する麻酔の目薬を差した後にはめ込みます。
これが地味にちょっと痛いです。
なにしろ眼球に当たるくらい押し込まれるのですから。
そして部屋の電気が消されて、術部にレーザーが照射されていきます。
その際視野をなるだけ固定するために、機械から出ているアーム状の棒の先に赤いランプが点灯していて、それを術部と反対の目で見るように指示を受け、その部分を見ます。
これがおおまかな治療の流れです。
最初の治療では、治療がどういう物なのか、試し打ちと称して何発かをゆっくりとしたペースで照射してもらいました。
そんとおきは結構血管にレーザーが当たる瞬間にチクチクするのと、レーザーを打ち込む際に発生する光が、瞳孔を開いた目にはかなりきつく、痛みすら感じてしまうような状態だったため、十発くらい打ち込んだ所で私は気分が悪くなってしまいました。
先生はそんな私に、無理しないでやっていきましょう、と励ましてくださり、最初の回の治療は終わりました。
後には慣れてくると、一回の施術で数百発くらい打ち込まれても、持ちこたえられるようになりましたし、光も集中して光源を見ていると、眩しさが軽くなるという方法も見出して、負担は楽になりました。
後治療が終わった後、明るくなった部屋を見た時は驚きましたね。
たぶん光源を見つめ続けたせいなのでしょうが、述部側の視野だけ、ピンクっぽい赤色に染まっていました。
え、これ治るの?と先生に尋ねたら時間は掛からないで戻りますよと言われ、半信半疑で診察室から出たら五分もしないうちに戻って、拍子抜けしました。
最終的にはこの方法を左右五回ずつ行って、症状を出にくくしました。
増殖型糖尿性網膜症の治療の効果や費用について
症状はどれくらい改善したか?
正直言って、自覚症状がそもそも少ない病気なので、治療前と治療後ではなにかが劇的に変わったということはありませんでした。
先生にも分かるような変化はたぶんない、と事前説明で言われましたし。
精神的にはとても落ち着きましたね。
何もしないで放置していたら、出血による失明のリスクは高かったでしょうし、そのリスクを抱えた精神状態から解放されたのはとてもポジティブだと思います。
増殖型糖尿性網膜症の治療にかかった日数
両目交互に行って、およそ三カ月で治療は終了しました。
増殖型糖尿性網膜症の治療にかかった費用
私の場合は片目五万円でしたので、両目で十万円です。
増殖型糖尿性網膜症に悩んでる人へのアドバイス!
初期症状が出にくい病気ですので、まずはならない為に日頃から糖尿病の管理をしっかりやることですね。
後は定期的に眼底検査を行って、目の状態を知っておくことも肝要です。
定期的な検査をしておけば、初期段階で早期発見出来て、治療の負担も軽くなるでしょう。
またなってしまっても、悲観することは全くないですね。
今の医学の進歩は本当に知らないでいると損ですね。
たぶん二十年前なら私は今、こうして文字を打つことも出来なかったかもしれません。
病気を宣告されても決して悲観したりせずに、前向きに治療することを強くお勧めします。
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