冬になると毎年恒例のように「インフルエンザの流行」のニュースが流れます。
一度A型のインフルエンザにかかったことのある私は、その度にビクビクしてしまう程二度とかかりたくない病気です!
全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛などを伴うウイルスです。
インフルエンザにかかると、症状がつらいから病院に行かなくては、と頭にあっても高熱が出ていて動けない、関節痛や頭痛で着替える気力もなくなってしまいますよね。
ではインフルエンザは自力で治す事ができる病気なのでしょうか?
今回は、インフルエンザの自宅療養の仕方を調べてみました!
インフルエンザは自然治癒力で治る病気?
厚生労働省の医療従業者の為に作成されたインフルエンザに対するQ&Aには、「大多数の人では特に治療を行なわなくても1-2週間で自然治癒します。」と明記されています。
(参照:http://www.sasajima.co.jp/info_user/shosai/inf_p.html)
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により、鼻咽頭、のど、気管支など咽頭痛、鼻汁、咳といった症状が現れ、発熱、頭痛、関節痛、食欲不振などを伴います。
若くて普段から体力のある人である場合、治療や服薬をしなくても自然治癒することがほとんどです。
ちなみに厚生労働省は1-2週間としていますが実際には3~5日程度で治ることがほとんどです。
また海外ではインフルエンザは風邪と同じように扱われ、病院に行かない人の方が多いほどです。
治療や服薬をしない場合のインフルエンザを発症してから治るまでの経過は以下の通りです。
インフルエンザ発症から自然治癒による回復までの過程
- 悪寒と頭痛、喉や気管に乾きを感じる
- 急速に38度から40度の高熱が3~4日ほど続く
- 関節痛、筋肉痛、だるさ、食欲不振、咳やくしゃみ、鼻水、喉の痛みなどの症状がでる
- 徐々に回復する(1週間から2週間程)
インフルエンザで治療が必要なケース
インフルエンザは成人でもともと健康である人は治療をしなくても自然治癒しますが、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ人は肺炎などを併発したり基礎疾患を悪化させるなどして重症化することがあります。
以下のケースに当てはまる場合は基礎疾患を悪化させたり重症化を防ぐ為に服薬、治療が必要です。
自然治癒力に頼らずに病院に行った方がいい人
- 5歳未満の子供(特に2歳未満)
- 妊婦、産後2週間以内の人
- 65歳以上
- 慢性呼吸器疾患(喘息、肺疾患など)
- 慢性心疾患(先天性心疾患、心不全、冠動脈疾患)
- 腎機能障害
- 免疫不全疾患(糖尿病、慢性感疾患、HIV)
- 病的肥満(BMI40以上)
- 神経疾患
- がん患者
インフルエンザと風邪は似てる?
普通の風邪とインフルエンザは、初期症状に類似点がいくつかありますが、全く別の疾患です。
一般の風邪の原因はライノウイルスやコロナウイルス等の感染によるものです。
風邪では咽頭痛、鼻水、咳などの症状がありますが、 インフルエンザの特徴である関節痛や筋肉痛など、全身の症状はあまりありません。
インフルエンザは感染力のとても強い流行疾患で、短期間に膨大な数の人を巻き込みながら広がり、地域で3~4週間で終焉します。
インフルエンザを自力で治す方法
インフルエンザを自力に治すには、以下の事に気を配りましょう。
1. 家で安静にする
体内ではインフルエンザウイルスとの攻防戦が繰り広げられています。
無駄に体力を消耗しない様に、安静にしましょう。
2. 睡眠をしっかりとる
体力回復に、睡眠は重要な要素です。
安静にして暇だから、とテレビの見過ぎやゲームのし過ぎをしないようにしましょうね!
3. 高熱による脱水症状の予防のためにこまめに水分をとる
熱を下げるためにも水分補給はしっかりしましょう。
汗によって体内のナトリウムが出て行くので、お茶や湯冷ましよりも、スポーツドリンクや電解水など、ミネラル補給ができる飲み物を用意しましょう。
一気にたくさん飲むよりも、少量をこまめに飲む様にしましょう!
水分補給のもう1つの効果
水分補給は脱水症状予防だけが目的ではありません。
体内のウイルスを排出するためにも重要なことです。
私は一時期フィリピンに留学していたんですが、フィリピンで体調を崩したとき、周りのフィリピン人みんなに言われたのが「Drink Water!」でした。
なんで?って聞いたら体内で水を循環させてウイルスを早く排出するためだと。
なるほど。そういうことか!と納得しました。
どんな病気でも感染症ならウイルスがいるってことです。
そのウイルスが体からなくなれば病気は治ります。
だからウイルスが体からできるだけ排出されるよう、水分をたくさん取っておしっこをたくさん出すことが有効なんですね。
4. 汗をかいたらすぐに着替える
汗をかいたままでは体温が奪われてしまいます。
インフルエンザにより免疫力が下がっているので、他の病気にかからない様に着替えをするようにしましょう。
病床に伏せているときは周囲を清潔に保つ事により、二次感染を防ぐこにもつながります。
5. 高熱の場合は首、脇の下、太ももの付け根などを冷やす
インフルエンザウイルスを撲滅するために高熱がでているので、解熱剤を使ってしまうとかえって症状が長引いてしまいます。
しかし、頭や首、脇の下など局所を冷やす事により、患者の苦しさを軽減することができます。
6. 部屋の換気をこまめにする
インフルエンザは空気感染の恐れもあるウイルスです。
部屋の換気をこまめにして、ウイルス排出を心がけましょう。
7. 部屋が乾燥しないように湿度の調節する
インフルエンザウイルスは寒冷乾燥を好み、高温多湿に弱い性質があります。
研究者のG・J・ハーパー氏が1961年に「温度20度以上、湿度50~60%で空気中での感染力が下がる」ことを発見しました。
インフルエンザウイルスの活動がしにくいように室内の温度、湿度を調節しましょう。
8. 食欲が戻って来たら、消化の良いものから少しずつ食べる
インフルエンザにかかっているときは、無理をして食事をする必要はありません。
十分な水分補給をして、食欲がもどってきたら少量ずつ無理をせずに食べる様にしましょう。
最初は生姜はちみつ湯などがおすすめです。
空腹が病気改善の鍵?
インフルエンザウイルスに限らず、最近やその他のウイルスと戦うのは白血球です。
お腹いっぱい食事を食べると、ウイルス等を食べて処理する白血球の食欲も減ってしまいます。
お腹が空っぽの状態になると、貪食作用という、白血球が活発にウイルスを食べて処理する能力が向上します。
白血球が活発になりやすい環境は、空腹時の他に、発熱時の時です。
発熱中に「力をつけなければ!」と無理して食べると病気が長引いてしまうんですね。
熱が下がって、食欲が戻って来たら白血球を増加させるヨーグルトやバナナ、発酵食品などを少しずつ食べる様にしましょう。
食欲ない間は水分補給を中心にして無理して食べず、何か食べたくなったらヨーグルト等の食べやすいものを食べるといいでしょう。
体を温める食べ物で免疫力を上げよう
食欲がある程度戻ってきたら体を温めるものを食べると治りが早くなります。
身体を温め、かつ抗酸化作用のある食品として、
- ネギ
- 玉ねぎ
- にんにく
- 生姜
- らっきょう
- にら
- 大根
- バナナ
などがおすすめです。
またビタミンCが豊富なみかんも有効です。
みかんには豊富なビタミンCには白血球の活動を活性化して免疫力を上げる効果があるので。
またみかんの袋や白い筋の微分に含まれる「ヘスペリジン」という成分は体を温める効果+インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があり。インフルエンザの自然治癒に有効です。
薬なしでインフルエンザを治すには何日かかる?
インフルエンザを薬なしで治す場合、普段の健康状況により期間には差がでてきます。
通常であれば初期症状から発熱、そして終焉までの期間は一週間程です。
しかし、普段から体が弱かったり、インフルエンザからの回復時に免疫力が低下しているために他の風邪にかかったりと長引くケースもあります。
注意したいのが、発熱の期間です。
インフルエンザウイルスによる高熱は、約3、4日ほど続きます。
もしも4日以上高熱が続いている場合は、肺炎や脳炎などの合併症を起こしている場合があります。
また、高熱が続いているからといって解熱剤を個人の判断で服用するのはやめましょう。
高熱により、インフルエンザウイルスを退治しているので、熱が下がってしまうと症状が長引いてしまいますよ!
抗インフルエンザ薬を使うメリットとデメリット
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があります。
ウイルスの増殖を抑える薬であり、ウイルスを死滅させる薬ではありません。
インフルエンザウイルスが増殖するピークは48時間前後ですから、その前に服用しないと効果がありません。
抗インフルエンザ薬を服用すると高熱がでている時間を短縮することができますが、それも1~2日程度です。
しかし、体力のない上記した年齢や基礎疾患などを持っている人は、抗インフルエンザ薬を服用して、インフルエンザによる体力消耗に続く合併症などを防ぐ必要があります。
抗インフルエンザ薬の副作用は大丈夫?
一時期「抗インフルエンザ薬の副作用により異常行動を起こす」、というニュースが報道され、注目されましたね。
厚生労働省のホームページには、薬の服用の有無に関わらず、インフルエンザ患者には同様の異常行動が見られる事から、小児や未成年者がインフルエンザにかかったときは、少なくとも2日間は患者を一人にしないよう注意がよびかけられています。
インフルエンザ患者にみられる異常行動
- 突然立ち上がり、部屋から退出する
- 意味不明な事をいいながら手を広げて部屋を駆け回る
- 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない
- 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
- 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
- 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする
- 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
などの行動が見られたら注意が必要です。
高校生以上の大人に異常行動が見られた例はほぼないので基本的に大人はあまり心配しなくていいでしょう。
また、抗インフルエンザ薬には副作用もあります。
抗インフルエンザ薬主な副作用
- 下痢
- 嘔吐
- 低体温
- 悪心
- 腹痛
- 発疹
など
稀ではあるものの、アナフィラキシーショックや急性腎不全などの重症になるケースの副作用の報告もあります。
いずれの抗インフルエンザ薬の添付書には「異常が認められた場合には適切な処置を行うこと」とあります。
服薬を始めてから、蕁麻疹や呼吸困難、意識障害、鼻血や血便などの出血、顔面蒼白、尿の出が悪くなるなどの症状が認められた場合は服薬を一旦止めて、迅速に医療機関に相談しましょう。
まとめ
インフルエンザは自宅療養でも完治する病気なんですね!
インフルエンザに罹ったかもしれない!と大急ぎで外出すると、ウイルスをばらまいて流行を後押しする結果になりかねません。
感染力の高いウイルスですから、感染が分かったら自宅で療養しましょう。
焦って完治する前に出掛けると、免疫力も低下しているため他の病気にかかってしまいますよ!
しっかり完治するまで安静にするようにしましょう。
インフルエンザかどうか診断して欲しい場合は医療機関で検査してもらいましょう!
医療機関に行く時は、マスクやハンカチを持参して感染を広めないようしっかり準備をしてから出掛けましょう。
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