子供がインフルエンザにかかったらまず考えなきゃいけないのはタミフルを飲ませるかどうかです。
タミフルの副作用とインフルエンザ重症化によるの合併症のリスク。
この2つを考慮した上でどう判断すべきなのか議論します。
Contents
子供がインフルにかかったらタミフルを飲ませるか?
インフルエンザにかかったお子さんの看病でまず最初にぶち当たるのがこの悩み。
タミフルを飲ませるかどうか。
これに悩んでネット検索する人も多いと思います。
タミフルは2000年代に異常行動による子供の飛び降りが起きて騒がれました。
そして2007年から10代へのタミフルの投与が中止されていました。
その後厚生労働省が10年間統計を取りましたが、その結果、タミフルと異常行動の間に関連は認められず、2018年8月21日にタミフルの10代への投与が再開されました。
2016年のデータでは、タミフルを飲んだ人よりもタミフルより安全と言われるアセトアミノフェンを飲んだ人の方が異常行動の発症件数が多いし、薬を一切飲まないのに異常行動が出た子供も一定数いました。
このことから厚生労働省はタミフルと異常行動の間に関連はないと言っています。
こちらの記事でもそのことについて詳しく解説してますが、異常行動は薬と関係なく起きることがわかってます。
タミフルと異常行動は無関係って本当?異常行動は薬なしでも起きる!?
子供がインフルエンザにかかると一定の割合で異常行動が起きるのは仕方のないことでそれは薬を飲んだか飲んでないかとは関係ないという結論です。
そうはいっても実際に異常行動による飛び降りなどが起きた事例もある以上、親としては心配にならざるを得ないと思います。
しかしそうはいってもいられません。
なぜなら5歳以下の子供はインフルエンザ重症化のリスクが高いとされているからです。
特に2歳以下の子供はインフルエンザから肺炎などの合併症になるケースが多いそうです。
ちなみに欧米では普通に健康な人には基本的にタミフルを処方しませんが、ハイリスク群と呼ばれる高齢者や乳幼児には処方します。
確かにタミフルは副作用が怖いかもしれません。
でも実際重篤な副作用が起きる確率はものすごく低く、2,886,972人中109件。
およそ26000人に1人の割合です。
また、タミフルは2001年の発売から2015年までの15年間にわたり、タミフルの副作用で死亡した人の数は108人。
このうち10歳未満は14人。
つまり、タミフルの副作用で死ぬ子供は1年に1人いるかいないか。
ここまで確率が低いならタミフルの副作用のリスクよりもインフルエンザの悪化による合併症のリスクを考えてタミフル飲ませる方がリスクははるかに低いでしょう。
(参考:オセルタミビルリン酸塩の副作用報告状況 厚生労働省)
子供のインフルエンザが重症化したときの合併症のリスク
子供のインフルエンザが重症化すると、合併症のリスクが高くなります。
合併症には以下のようなものがあります。
- 肺炎
- 気管支炎
- 中耳炎
- 熱性けいれん(せん盲)
- インフルエンザ脳炎
肺炎
肺炎は細菌やウイルスが肺に入ってしまうことで発症します。
インフルエンザの高熱が長引いてるときは肺炎を起こしている可能性を疑った方がいいです。
また、粘性の高い色のついた痰が出ることでも見分けられます。
特に乳幼児の場合は肺炎で死ぬケースも多いから少しでも肺炎かな?と思ったらすぐに病院で診てもらいましょう。
気管支炎
気管支炎はインフルエンザのせいで傷んだ喉に炎症が起きることで発症しやすいです。
コンコンという乾いた咳がゴホゴホという湿った咳になったら気管支炎を疑いましょう。
中耳炎
中耳炎は耳と喉の奥がつながっている耳管というところから細菌による感染で発症します。
インフルエンザが長引くと喉の奥に炎症が起きるため、中耳炎に感染しやすくなります。
子供が頭痛や耳の痛みを訴えたら中耳炎を疑いましょう。
熱性けいれん(熱性せんもう)
熱性けいれんは発熱してから24時間以内に起こることが多い病気です。
- 高熱による幻視・幻聴
- けいれん
- 意識障害
意識がなくなり全身にけいれんが起きる、または幻覚を見たりうわ言を言ったりする怖い症状です。
けいれんが1回だけなら病院に行く必要はなく、数分で収まる場合が多いです。
けいれんが起きている間は抱いて安心させてあげましょう。
けいれんが長く続いたり何度も起きてる場合は危険なのですぐに救急車を呼んで病院に行ってください。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症とは、毎年100~300人が発症していると言われていて死者が出る、インフルエンザの合併症の中で一番恐ろしい病気です。
インフルエンザ脳症は体内で増えたインフルエンザウイルスに対して免疫が過剰に反応し、脳に異常が現れることで起きる意識障害です。
8%が死亡し、15%に後遺障害が残ると言われている。
なので症状が現れたらすぐに病院に行くべきです。
具体的な症状としては
- 幻視・幻聴
- けいれん
- 意識障害
- 異常行動
が現れ、熱性けいれん(熱性せんもう)と非常に似ていて、区別しずらいです。
熱性けいれんの場合はけいれんしている時間が短いのに対し、インフルエンザ脳症のけいれんは10~15分続いたり、短くても頻度が多いです。
注意
市販の解熱剤を与えるとインフルエンザ脳症のリスクが上がるから絶対に使ってはいけません。
解熱剤の使用に関しては自分で判断せず、子供に解熱剤を使うかどうかは医師の判断に任せましょう。
インフルエンザで異常行動が起きるのは熱が出てから2日以内
タミフルと異常行動の間に関連はないというデータがあることは述べたが、インフルエンザと異常行動には関連があります。
乳幼児や子供の場合、タミフル関係なく異常行動が起きやすいです。
理由は熱性けいれん(熱性せんもう)が子供に起きやすいからです。
異常行動が起きたとしてもそれが熱性けいれん(熱性せんもう)によるものなのか、インフルエンザ脳症によるものなのかはわかりにくいです。
ただ1つ言えるのはこの中で起きても大丈夫なのは熱性けいれん(熱性せんもう)だけ。
熱性けいれん(熱性せんもう)は発熱24時間以内に1回だけ数分間起きるもの。
それ以上の異常行動が起きた場合はインフルエンザ脳症を疑ってすぐに病院に行くべきです。
気づいてすぐに病院に行かないと手遅れになる可能性があるのですぐに救急車を呼ぶことをおすすめします。
そしてやっかいなのが異常行動がタミフルの服用関係なしに起きることです。
確かに発症する確率は低いが、心配ですよね。
厚生労働省も呼び掛けてますが子供が発熱してから2日間はどんな子供にも異常行動の可能性があります。
この2日間は共働きでも親の内どちらかは子供の看病に当たり、異常行動がいつ起きても大丈夫なように備えましょう。
まとめ
以上まとめると
- タミフルの副作用については賛否両論あるが今は厚生労働省がタミフルと異常行動に関連がないことを示している
- 5歳以下の子供、特に2歳以下はインフルエンザ重症化のリスクがタミフルの副作用のリスクより高いのでタミフルを飲ませる方が安全
- インフルエンザが重症化して起きる合併症の中には、インフルエンザ脳症など、小さな子供の命を奪うものがあり怖い
- 異常行動が起きるのは発熱後48時間以内に集中している。これはタミフルの服用と関係なく起きるから親は2日間は看病すべき
ということでした。
子供のインフルエンザには異常行動の可能性が薬と関係なくあるので非常に怖いです。
子供がいつ異常行動を起こしても大丈夫なように備えましょう。
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