子供の様子がおかしいと思ったら熱がある。
インフルエンザかもしれない。
病院に行ったらインフルエンザと診断されてタミフルを処方された。
そこでまず決断が必要になります。
タミフルは飲ませるべきなのか?
また、インフルエンザの子供看病の仕方や看病中に気を付けるべきことは何でしょうか?
今回は子供がインフルエンザにかかったときの看病の仕方について解説するのでぜひ参考にしてください。
Contents
インフルエンザにかかった子供の看病でしてはいけないこと
まず子供にインフルエンザが発症したときに絶対にしてはいけないこと。
それは解熱剤を与えることです。
熱が出たら解熱剤という発想がある人は注意してください。
インフルエンザが流行るのは12月~3月ですが、この時期に子供が熱を出しても解熱剤は与えないようにしましょう。
なぜかというと解熱剤に含まれる成分がインフルエンザ脳症のリスクを上げることがわかっているからです。
インフルエンザ脳症は毎年インフルエンザになった子供の中から100~300人の子供が発症し、死亡率8%、後遺症率15%の恐ろしい病気。
子供に良かれと思ってしたことが逆に子供の命を奪ってしまう可能性があるのです。
解熱剤の中でも作用の弱いアセトアミノフェンというものなら大丈夫と言われてますが、自己判断せず、医師の判断を仰いだ方がいいです。
また病院からアセトアミノフェン(アンヒバ坐剤)を処方してもらったときは必ず用法・容量を守ること。
子供の熱が下がらないからといって多く与えたり、短い間隔で与えるのはやめましょう。
インフルエンザにかかった子供にタミフルは飲ませるべき?
10年くらい前に騒がれたタミフルの副作用。
2007年~2018年まで10代へのタミフルの処方は中止されていました。
しかし今は厚生労働省の10年のデータにより、インフルエンザとタミフルの関連性が否定され、10代の子供へのタミフルの処方が再開されました。
そのデータによると異常行動はタミフル以外の薬でも起きており、アセトアミノフェンを飲んだ子供や薬を飲んでない子供にも起きているのです。
それでもまだタミフルは怖いと感じる人も多いでしょう。
確かにタミフルは危険かもしれません。
でもインフルエンザにかかった子供は年齢が小さければ小さいほど重症化して合併症を起こす危険性があります。
いちいちタミフル飲ませるべきかで悩んでいたら手遅れになりかねません。
基本的に子供がインフルエンザにかかったら特に乳幼児にはタミフルを飲ませた方がいいです。
なぜかというと乳幼児はインフルエンザの合併症にかかりやすく、早く治さないと肺炎などの危険な病気にかかってしまう可能性が高いからです。
またタミフルの安全性については厚生労働省もきちんと10年間のデータを取って証明してます。
ここまででまだ子供にタミフルを飲ませるか迷ってる人はこちらの記事に詳しく書いたので読んでください。
子供のインフルエンザの看病は発熱が始まってから48時間が勝負
子供のインフルエンザの看病で一番重要なのは発熱が始まってから48時間です。
なぜかというとこの時間に一番意識障害や異常行動が発生する可能性が高いからです。
基本的にはインフルエンザの症状は大人と同じで、熱と全身の倦怠感、筋肉痛や関節痛などです。
でも子供の場合のみに多いのが、熱性けいれん(熱性せんもう)。
これは意識障害と同時に全身にけいれんが起こったり、幻視・幻聴で意味不明な言葉をしゃべったり、異常行動を起こしたりする症状です。
実は異常行動はタミフルだけが原因じゃないのです。
子供の場合、タミフルの服用に関係なく、インフルエンザの症状の一つである熱性けいれん(熱性せんもう)で異常行動が起きることが多いのです。
また、インフルエンザ脳症が起きたときにも意識障害やけいれん、異常行動が起きます。
インフルエンザ脳症と熱性けいれん(熱性せんもう)は見分けが難しいですが、熱性けいれん(熱性せんもう)が数分間1回起きたら終わりなのに対し、インフルエンザ脳症は症状がなかなか収まらなかったり、短くても何度も起きることが多いです。
熱性けいれん(熱性せんもう)の場合は1回で済むし特に治療はいらないので病院に行く必要はないが、「インフルエンザ脳症」は危険です。
すぐに病院に行かないと命取りになるので兆候が見られたらすぐに救急車を呼んでください。
この異常行動は熱が出てから48時間は以内に起きます。
そして意識障害や異常行動はタミフル服用と関係なく起きるから例えタミフルを使わない選択をしていたとしても同じように注意が必要です。
インフルエンザにかかった子供の看病で一番重要なのはこの意識障害や異常行動が起きないかを48時間見守ること。
子供がインフルエンザにかかったら共働きでも親のどちらかは必ず2日間は会社を休んで子供の看病に当たってください。
そして異常行動が起きないか、意識障害が起きないかを監視してください。
もし起きたらすぐに病院に連れて行く意識が必要です。
子供が異常行動を起こした時の判断基準について
ただし、子供が意識障害や異常行動を起こしたら必ず救急車を呼ぶべきというわけではありません。
- 異常行動が連続的に続く、または1時間以上続く
- 意識障害が起きている
- けいれんがある
場合はすぐに病院に行くべきです。
救急車を呼んでもいいでしょう。
- 異常行動はあるけど意識障害はない
- 異常行動が短時間のみ
の場合は経過観察でいいとされています。
インフルエンザの子供への看病でできること
では、異常行動を見守る以外でインフルエンザの子供の看病には何をすればいいのか。
インフルエンザを治すために一番大事なのは水分と睡眠です。
早く治すためには水をよく飲ませ、よく眠らせることが大事です。
水分補給させる
水を飲まない子供にはリンゴジュースを水で薄めたものを少しずつ飲ませるといいでしょう。
冷たいとお腹を壊すのでなるべく常温にした方がいいです。
水の代わりに点滴と同じ成分と言われる経口補水液を与えるのもいいでしょう。
また温かいスープやはちみつ湯などを与えるのもいいです。
もしそれらを飲めない場合は最悪普段飲ませている牛乳を温めて与えてもいいでしょう。
インフルエンザで高熱が発生しているときは汗をかいて脱水症状になりやすいです。
しかも子供は大人よりも体内の水分比率が高いため、大人より脱水症状を起こしやすいのです。
常に顔色が悪くないか、唇が紫になってないか、手足が冷たくなってないかチェックし、脱水症状があるようならすぐに病院に行きましょう。
脱水症状を防ぐためにも部屋を加湿して、かつ水分をよく与えること。
水分と睡眠が一番の薬です。
食べ物について
食べ物については熱のある間は食欲もないでしょうからあまり無理して与える必要はありません。
ご飯を食べて栄養を付けた方が早く病気が治るという人もいますがこれは間違いです。
人は空腹状態の方が白血球の活動が活発になり、自然治癒力が上がります。
病気で胃腸も弱っているのときに無理して栄養を摂らせようと普通の食事を与えると逆に体の負担になって治りが遅くなってしまうのです。
食べ物を与えるかどうかは子供の容態を見て判断しましょう。
食欲が戻ってきたときが食事を与えるべきタイミングです。
「お腹空いた」と言われるまでは水分補給だけでいいでしょう。
食欲が戻ってきたら最初はヨーグルトかすりおろしりんごなどの食べやすく、消化のいいものから与えましょう。
ヨーグルトにバナナやりんごを小さく切って入れてあげると栄養もしっかり取れるのでおすすめです。
熱がなかなか下がらないときは脱水症状や肺炎に注意!
インフルエンザの高熱は平均3日、長くて5日くらい続きます。
子供が幼い場合、40℃以上の高熱が3日以上続いて体力の低下が著しい場合は入院した方がいいこともあるので病院に行き医師の判断を仰ぎましょう。
特に怖いのが脱水症状。
子供の手足を触ったらびっくりするほど冷たくて体温33℃。
慌てて病院に行ったら脱水症状を起こして死にかけていた。
こんな例もあります。
だから子供が脱水症状になってないか、常に目を光らせておくべきです。
先にも述べたましたが手足が冷たくなってないか、顔色悪くないか、唇が紫になってないかチェックしよう。
また、高熱が5日以上続く場合、合併症で肺炎を起こしている可能性もあります。
5~7日経って下がらないようなら病院に行った方がいいです。
高熱が続くと汗をよくかくので脱水症状を防ぐためにも水分補給を多めにしましょう。
また、身体の汗を拭いてあげたり、下着を替えてあげましょう。
まとめ
以上まとめると
- インフルエンザの疑いのある時は解熱剤を与えてはいけない
- 子供がインフルエンザになったらまずタミフルを飲ませるか決める
- 子供のインフルエンザは発熱が始まってから48時間が勝負
- インフルエンザの看病で大事なのは水分と睡眠
- 熱が下がらないときは水分補給を多めにして脱水症状に注意
- 熱がなかなか下がらないときは水分補給多めに。5日経っても下がらないときは病院へ
ということでした。
子供のインフルエンザは症状が軽い場合もありますが、重い場合は大変です。
また軽い場合も常に異常行動がないか、脱水症状がないか親がしっかり見ておくことが大切です。
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